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パイロジェンフリー水とは

こんにちは、アメジスト編集部です。今回は「パイロジェンフリー水」について紹介したいと思います。

水の重要性

弊社は清浄綿,ぬれティシュ(ぬれコットン),クレンジングコットン,化粧品美容液・化粧水などを製造販売しています。これらの製品は、肌を清浄・清拭する目的や肌に水分を与える目的で使用する商品です。

・ぬれティシュ(ぬれコットン)はコットン(医療脱脂綿使用)に水を含ませ高圧蒸気滅菌したもの

・清浄綿,クレンジングコットンは水に溶解した配合成分(ベンザルコニウム塩化物)をコットン(医療脱脂綿使用)に含ませ高圧蒸気滅菌したもの

・化粧品美容液・化粧水は主たる薬効成分(配合成分)や補助剤などを水に溶解させたもの

これらの製品構成で、最も多くの割合となるものは「水」です。したがって、これらに使用する水(製造用水)の品質管理は重要となります。

水の種類

私たちの身の回りにある水として、河川の水、雨水、地下水、そして生活に欠かせない水道水などがあります。このなかでも水道水は手洗い・食器洗い・風呂・トイレなどの衛生・洗濯用途などで使用されるだけではなく、私たちが調理用水・飲用水として口にする水でもあります。もし水道水の水質に問題があれば、私たちの健康が脅かされることになります。古代の文明も良い水があるところで栄えました。公衆衛生において、常に清浄で安全な水道水が供給されることは、非常に重要でローマ帝国なども水道設備で繫栄し、水道設備で滅びたともいわれています。

日本では「清浄で安全」な状態を規定すべく、水道水の水質は水道法によって定められています。水道事業者はこの水質基準に適合した水を供給しなくてはいけません。

 一方、医薬品,医薬部外品,化粧品に使用される「製薬用水」についても清浄で安全な水質基準が定められ、日本薬局方(Japanese Pharmacopoeia, JP)に示されています。

※日本薬局方(にほんやっきょくほう):医薬品の性状および品質の適性をはかるために定められた医薬品の規格基準書です。

日本薬局方には製薬用水の規格(定義された基準)として、「常水」、「精製水」「精製水(容器入り)」「滅菌精製水(容器入り)」「注射用水」「注射用水(容器入り)」が規定されています。

【出展:日本薬局方  URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066530.html

*エンドトキシン

エンドトキシンはグラム陰性菌の菌体成分などが由来で、菌体が死んで溶菌するときや機械的に破壊されたとき、また菌が分裂するときなどに遊離されます。医薬品分野ではエンドトキシンは発熱性物質(別名パイロジェン)として捉えられており,極めて微量の混入によって発熱を引き起こすことから,生体内に直接導入される注射剤・医療機器等においては厳重な管理が求められています。一般的にエンドトキシンは単なる発熱性物質ではなく,生体に対して非常に多彩な作用を示すことはよく知られています。

まず、「常水」とは、水道法第4条に基づく水質基準に適合した水です。次に「精製水」と「注射用水」は、「常水」から不純物を取り除くなどの処理を施して製造します。除去するものはイオン微生物そして発熱物質のエンドトキシンなどがあり、これらを除去するには、イオン交換、超ろ過、蒸留などの手法が用いられます。水に含まれる不純物の指標となるのが、導電率全有機炭素(TOC)です。導電率には水中の無機塩類の量が、TOC値は有機不純物の量がそれぞれ反映されます。そこで「精製水」と「注射用水」の規格には、導電率,TOCの基準値が示されています。また、水中の微生物の増加は水質の劣化につながるため、「製薬用水」の製造および貯蔵においては、水中の生菌数を基準値以下に抑えるような管理が求められます。

パイロジェンフリー水とは

体内に直接投与される注射用水では、より微生物が厳重に管理され、発熱物質(パイロジェン)であるエンドトキシンを取り除いた水が用いられます。この注射用水レベルの純度の水をパイロジェンフリー水とも呼ばれることがあります。

 なぜエンドトキシンが問題なのでしょうか。実は、微生物は注射剤の製造工程にある最終滅菌(オートクレーブ)やろ過滅菌によって除去できますが、エンドトキシンは除去できません。エンドトキシンは、280℃以上で滅菌する乾熱滅菌では熱分解しますが、オートクレーブを用いた蒸気滅菌では分解されず、しかも、ろ過滅菌でもフィルターを通過してしまいます。そこで、注射剤の製造工程中にエンドトキシンを持ち込まないよう配慮する必要があるのです。

どのようにつくられるの?

「常水」にイオン交換、蒸留、逆浸透や限外ろ過などの超ろ過により、原水中に含まれる無機塩類,有機不純物,微粒子,微生物,パイロジェンなどを取り除きます。

【出展:日本薬局方  URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066530.html

「ママとベビーの水だけぬれコットン」「アメジストファミレ清浄綿」「クレンジングコットン」のように、弊社は、「水の品質」にこだわり、注射用水レベルの純度の水を使用した製品もご提供しております。

お使いの際のご参考になれば幸いです。

●関連記事「清浄綿の使い方

●関連記事「清浄綿・ぬれコットンの選び方

●関連製品①【アメジスト ママとベビーの水だけぬれコットン】 滅菌精製水(パイロジェンフリー水)だけを使用。敏感肌にも安心なウェットコットン。ウォータージェット加工脱脂綿使用。高圧蒸気滅菌済。日本製。

水だけぬれコットン

●関連製品②【アメジストファミレ清浄綿】 医薬部外品 清浄綿。医療現場で使用するコットンを使った、お肌に優しいウェットコットン。ノンアルコール。高圧蒸気滅菌済。日本製。

アメジストファミレ清浄綿

●関連製品③【クレンジングコットン】 0.05%ベンザルコニウム塩化物溶液を含浸させた「クレンジングコットン」。手指や皮ふ、おしもの清浄に。カニューレ、自己導尿カテーテル、ストーマ―(人工肛門)、胃ろうなどに。

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