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新型コロナウイルスに有効な界面活性剤について

こんにちは。アメジスト編集部です。新型コロナウイルスの感染拡大で消毒薬不足が深刻ですが、家庭や職場でアルコール以外の消毒方法の選択肢についてご紹介したいと思います。

新型コロナウイルスに対してアルコール系の消毒液が有効とされていますが、感染拡大によりアルコール系消毒液不足が深刻となっています。2020年11月現在では、感染拡大が広まった当初よりも比較的安定してきましたが、まだまだ供給が十分とは言い切れない状況かと思います。

そこで、家庭や職場におけるアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすため、経済産業省が独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に依頼し、消毒方法の有効性評価を実施しました。

新型コロナウイルスに有効と判断された界面活性剤は以下の9種類

アルコール以外の消毒方法の有効性を示すもので、身の回りのモノの消毒用に活用できる計9種の界面活性剤が新型コロナウイルスに対して有効であると判断されました。(2020年6月29日の最終報告時点)

①直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)

②アルキルグリコシド(0.1%以上)

③アルキルアミンオキシド(0.05%以上)

④塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物)(0.05%以上) 

⑤ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)

⑥塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)

⑦塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%)

⑧純石けん分(脂肪酸カリウム(0.24%以上))

⑨純石けん分(脂肪酸ナトリウム(0.22%以上))

※界面活性剤(かいめんかっせいざい):水になじみやすい「親水性」と油になじみやすい「親油性」の2つの性質を持ち、水と油のように、混ざり合わない物質の間で双方に作用し、界面(物質の境面)の性質を変えて混じり合わせることができるようにする物質です。この作用により汚れを落とす働きをするため、石鹸をはじめ洗剤の主成分としてもつかわれています。

●洗剤や石鹸、シャンプーにも使われている界面活性剤(かいめんかっせいざい)って何?関連記事「界面活性剤について

身の回りのモノの消毒用にしか使用できないのでしょうか?

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の公表資料によると、検証した各成分が、検証された濃度以上で新型コロナウイルスに対する消毒に有効であったことを示す評価です。

各成分・濃度で新型コロナウイルスに対する消毒に有効であったと示されましたが、ヒトの手指等の消毒に対し有効性を標榜するには、医薬品製造販売承認取得など薬機法上の問題があります。ヒトの手指等の消毒に使用するには有効性の他に安全性の検証や製品の安定性などの評価も必要となります。

ただ、今回示された成分の中には、医薬品,医薬部外品,化粧品などで使用されており、ヒトに対する安全性の検証や製品の安定性の検証がされている成分もあります。

 今回示された成分・濃度でウイルスの直接の破壊が示されましたが、これらの成分はそもそも界面活性剤ですので、汚れとともにウイルスも洗い流し,拭き取り除去等の作用もありますので、ウイルスを取り除く作用も期待できます。

「今回示された成分は、住宅・家具用洗剤等に使われており、今回の検証で、新型コロナウイルス対策のための家庭や職場における消毒方法の選択肢が広がることが期待できる」との発表ですが、身の回りのモノの消毒に対する有効性の他、ヒトの手指に付着したウイルスの破壊及び除去に対しても期待できるのではないでしょうか?

使用方法は?

アルコール以外の消毒方法の選択肢を広げるために検討されたものであるが、エタノール消毒液は、速乾性擦り込み式手指消毒剤として非常に使い勝手が良い。噴霧消毒時にエタノールは少量ならば吸入しても毒性は低い上に、即効性に優れ,速乾性に優れている消毒液です。また、ごく少量ならば目に入っても比較的安全性が高いとされている消毒液です。

 今回提示された薬剤は、噴霧時の吸入毒性を調べたり,目に入ったときの有害性を評価したりしたものではありませんので、手指の噴霧消毒の代替えではありません。

 また、身の回りのモノの消毒に使用する場合においても、溶液を噴霧して除菌するものではありません。

使用方法としては、クロス類に消毒液を浸みこませて拭き取る方法で消毒し、噴霧による吸入や目に入らないような注意が必要です。

 作用の評価は、各薬剤の濃度と作用時間で評価しています。評価した濃度以上で、評価した接触時間作用させないと評価結果通りの作用はしません。

新型コロナウイルスによる検証試験(界面活性剤等の結果まとめ)

引用:新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)(NITE)(令和2年6月)

上記の通り、各界面活性剤の試験濃度及び作用時間で評価したものです。

一例として塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物)をあげると、検証試験に協力した北里大学による検証試験においては、

・0.05%では1分で約10,000個のウイルスをほぼ完全に不活化させたと判定しています。

※クロス類に消毒液を浸みこませると、クロス素材に薬剤が吸着し、作用が減衰する場合もあります。

発表当初(中間報告)と比較しても、最終報告で有効と判断された界面活性剤の種類は増えています。日常の感染予防の参考になれば幸いです。

●新型コロナウイルスなどの感染予防知識に。関連記事「飛沫感染(ひまつかんせん)について

●正しい手洗いの方法で感染対策。関連記事「手洗いの仕方について

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【関連製品②】0.01%ベンザルコニウム塩化物溶液をコットンに含浸させた「アメジストファミレ清浄綿」。お肌やお口まわり、皮ふ、おしもの清拭に。

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※当社の関連製品は安全性、品質確保のため、それぞれ医療機器,医薬部外品,化粧品の製造許可を受けた工場で製造しております。

【参考資料】新型コロナウイルスに有効な界面活性剤を公表します(出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE))

【参考資料】新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)(出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE))

【参考資料】新型コロナウイルスを用いた代替消毒候補物資の有効性評価にかかる検証試験の中間結果について(出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE))

【参考資料】ご家庭にある洗剤を使って身近な物の消毒をしましょう(出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE))

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