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手洗いの仕方について

こんにちは。アメジスト編集部です。新型コロナウイルスの感染が気になりますが、前回、手洗いの種類としては、要求される清浄度(綺麗さ)に応じて、「日常的手洗い」,「衛生学的手洗い」,「手術時手洗い」があることを紹介させていただきました。

今回はみなさんが感染対策として実施する「日常的手洗い」の仕方について紹介させていただきます。

なぜ手洗いが感染対策として重要なのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染経路として、「飛沫感染」のほか、「接触感染」についても注意が必要であると言われています。

新型コロナウイルスの接触感染

感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で目、口や鼻を触ると粘膜から感染します。

わたしたちの手は見た目に汚れていなくても病原体(細菌やウイルス)が付着している可能性があります。その病原体で汚染された手でさまざまなものに触れ、周りのヒトがそれらに触れることで、病原体が拡がっていきます。このように、わたしたちの手は、さまざまな病原体の“運び手”になります。

今回の新型コロナウイルスもそうですが、接触感染する病原体の多くは、最初にわたしたちの手に付着します。汚染後に、わたしたちは汚染している手で無意識に顔を触ってしまいます。海外の実験で、手で触った回数を計測したところ、1時間に目を3回、鼻を3回、口を4回無意識に触っていたとの結果だったそうです。

新型コロナウイルスは手の皮膚からは直接体内には侵入できませんが、目、鼻、口には粘膜がありそこからは新型コロナウイルスのような病原体は体内に取り込まれ感染してしまいます。

感染対策で医療従事者が、鼻と口はマスクで覆い、目は医療用ゴーグルなどで覆ったり、顔全体をフェイスシールドで覆ったりしている姿を見たことがあると思いますが、これらは顔にあるこれらの粘膜部分からの病原体の侵入から身を守るためです。

(参考文献)
Yen Lee Angela Kwok, Jan Gralton, Mary-Louise McLaws. Face touching: A frequent habit that has implications for hand hygiene. Am J Infect Control.2015 Feb 1; 43(2):112-114(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7115329/

私たち一人一人が日々の生活の中で手を洗うことは、手についた病原体を自分自身の体内に取り込み感染するのを防ぐだけでなく、周りのひとに感染を拡げることを防ぐこともできるため、きわめて有効な接触感染の対策となります。

いつ手洗いしたら良いのでしょうか?

手洗いの5つのタイミング

①公共の場所から帰ったとき

②咳やくしゃみ、鼻をかんだとき

③ご飯を食べるとき 前と後

④病気の人のケアをしたとき

⑤外にあるものを触ったとき

当然ですがトイレ後の手洗いも必要ですね。

新型コロナ感染対策では、帰宅後は、玄関でまず手をアル―コールで消毒をし、その後、上着や手持ちのカバンなどをラックにかけます。かけたあと、再度手指消毒を行います。そしてマスクを装着していれば耳かけから外し、前面に触らないようにして蓋(フタ)つきゴミ箱に捨てます。布マスクであれば、洗いに出します。その後日常的手洗いをして完了です。外出をした後の手洗いって、このように大変です・・・。

どのように手洗いすれば良いのでしょうか?

日常的手洗い方法

水とハンドソープで手に付着したウイルスは減らせます。

【手洗いの効果の実験結果例】

・手洗いなし:約 100万個

・流水で15秒すすぎ:約1万個(1/100)

・ハンドソープで10秒モミ洗い後、流水で15秒すすぎ:数百個( 1/1万)

・ハンドソープで10秒モミ洗い後、流水で15秒すすぎ 2セット:数個(1/100万)

手洗いなしと比べるとそれぞれ、ウイルス量(感染価)は大きく減少していきます。

(参考文献)森功次他:感染症学雑誌.80:496-500(2006)

http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0800050496.pdf

このように、日常的な手洗い方法で手に付着したウイルスは減らせます。ハンドソープで60秒モミ洗い1回の手洗いを行うより10秒のモミ洗い2回洗いの方がウイルス量(感染価)を減らすことが出来たとの実験結果もありますのでご参考に。

【手洗いの前に】

・爪は短く切っておく

・時計・指輪などは外しておく

【汚れが残りやすい部分】

・指先やつめの間

・手のしわ

・指と指の間

ハンドソープの使用

固形石けんは、液体石けんに比べ使用中に細菌・ウイルスで汚染される頻度が高いとされており、ハンドソープには必ず液体石けんを使用しましょう。厚生労働省の高齢者介護施設における感染対策マニュアルでは「石けんを使用するときは、固形石けんではなく、必ず液体石けんを使用する」と記載もされています。

液体石けんであっても長期保存、継ぎ足し、容器の洗浄不足、詰め替え時に汚染してしまうことがあります。製品に記載の詰め替え時の諸注意を守りましょう。

手洗い後

ハンドソープで洗い終わったら、十分な水で洗い流し、ペーパータオル・清潔なタオルで良く拭き取って乾かしましょう。

(参考)厚生労働省 手洗い

流水で手洗いができない場合には、擦式(さっしき)消毒用アルコール製剤を使用しましょう。

(参考)厚生労働省 手洗いで感染症予防

●関連記事「手洗いの種類について

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